知識として抑えておきたい距骨下関節

理学療法
この記事は約4分で読めます。

距骨下関節って?

距骨下関節、通称 ST 関節(Subtalar関節 )

人間2足立位で移動し、生活も主に立位・歩行が多い動物です

その代償として足2つで環境の中に自身の体のバランスを取らなくてはなりません

その足の中でも大きく動く距骨下関節の重要度は歩行や立位において大切になることは想像しやすいかと思います

実際治療としてインソール療法や、運動連鎖を考える際にすごく重要となる関節ですので整理しながらまとめていきます

解剖

以下の2つの骨から構成されます

  • 踵骨
  • 距骨

動き・運動

距骨下関節は複合的に動きます

その為、内がえし(足関節の底屈・回外・内転)と、外がえし(足関節背屈・回内・外転)の運動の2つに分かれます

ただし臨床上は大きく見ることのできる以下の2つで考えることをお勧めしています

  • 回内
  • 回外

※上記図では外がえし・内がえしで表記されています

たまに回内と回外で混乱しますが、上肢と同じです

・手の甲・足の甲が外側に向かう動きが回外

・もとに戻る(内側に向かう)動きが回内

なぜ距骨下関節が大切か

距骨下関節は足の中で踵に近い部位の関節であり、立脚初期への影響が強い関節です

その立脚初期が変われば自ずと歩行全体に影響が出ます

特に足部の柔軟性に影響を与えると考えられており、重要視されています

立脚初期の時の足部の柔軟性が必要かどうか

歩行の開始は踵接地から始まります

足部でもっとも踵側にある距骨下関節は立脚初期(特に踵接地)に大きく影響を持ちます

回内の制限がある場合

距骨下関節に回内制限がある場合には足部は剛性が強くなります

下腿骨と距骨は前額面上の運動範囲が小さいです

その為、足関節周囲で前額面上の動きが求められる場合には距骨下関節が大きく動きます

立位などの荷重が掛かっている状態で距骨下関節が動くと同時に踵骨と末梢の骨をつなぐ横足根関節も動きます

横足根関節:

踵立方関節(踵骨と立方骨により構成)及び距踵舟関節(距骨と舟状骨により構成)により形成される関節

横足根関節は踵骨が回内することで柔軟な足部を形成します

立脚初期の距骨下関節の運動は回外位から回内位への動いていきます

これは荷重の衝撃を柔らかい足部を作ることで緩衝する動きにも思えます

もし回内制限があればこの衝撃吸収が不十分となり、足部・もしくは身体のどこかに代償が必要となることが予想されます

特に距骨下関節は下腿の内外旋との運動連鎖が強く、距骨下関節の回内制限は荷重時における下腿の内旋制限を意味します

この水平面(下腿内外旋の動き)での制限を代償できる身体部位(股関節や胸椎等)があればよいですが、もし無ければ一番近く、水平面の動きに弱い膝関節に何かしらの影響は及ぼしやすいことが十分に考えられます

下記の記事でも足部と膝関節の関係性について記載されていますので良ければご参照下さい

回外制限がある場合(過回内:アーチがつぶれている状態)

反対に回外制限(ずっと回内位)があるとどうなってしまうのでしょう

いったん運動軸について整理しておきましょう

上記の距骨下関節の運動軸の図において軸が前内側から後外側に伸びています

距骨下関節の回外運動は前外側への重心移動

回内運動は後内側の重心移動を促すものとなります

また時期としてはこれから単脚支持期となるタイミングです

この時期に過回内が強いと重心が後方に残った上に十分に外側に重心移動ができず、立脚中期も成立しづらくなります

まとめ

距骨下関節は回内・回外のシンプルな動きの中に上行性にも下行性にも大きな影響を及ぼす関節です

また運動連鎖も絡み、一概にこの治療をすればよくなると簡単に言える部位でもありません

ただ既往に足部の疾患があり、他の部位にメカニカルストレスを生じている方などはもしかしら距骨下関節周囲の影響がでているかもしれませんね

タイトルとURLをコピーしました