脳卒中片麻痺患者が屋内で【車椅子駆動】を行う為には

セラピスト向け
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近年医療が発展し、脳出血・脳梗塞等のいわゆる脳血管疾患での死因割合が減少傾向にあります

死亡率(人口10万人対)も1947年には129.4人が亡くなっていましたが、2009年には97.2人と数値上でも結果が見て取れます

引用:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii09/deth7.html#

脳血管疾患・脳卒中発症後での生存率が高まったこともあり、後遺症を残しながら生活する方も増えています

いわゆる「車椅子生活」を余儀なくされる方も増えています

そんな中車椅子の駆動が自身で大変な患者も多くみられていますので

車椅子駆動にはどのような能力が必要なのか、どうしたら駆動できるようになるのか整理していきたいと思います

脳卒中片麻痺患者の車椅子駆動に影響を及ぼす因子

大田尾ら(2011)の報告によれば

車椅子自立群と要介助群を比較すると以下に有意差がみられました

  • 立位バランス
  • 腹筋力

引用:https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/26/3/26_3_359/_pdf/-char/ja

脳卒中片麻痺患者の車椅子駆動に影響のある検査

小林ら(2012)の報告によれば

車椅子の駆動能力は体幹機能検査と相関関係を示しました

特にFACTは他の体幹機能検査に比べて有用である評価指標となる可能性が示唆されています

引用:https://www.jstage.jst.go.jp/article/ptcse/19/1/19_1_42/_pdf/-char/ja

じゃあどうするか

体幹機能改善

上記報告で体幹の機能が車いす駆動に大きな影響を与えそうな状況は理解できた

体幹機能改善によって車椅子駆動能力は高くなりそうであり、確かめる価値はありそう

しかし機能回復がプラトーとなっていることも多いに考えられる

そのようなときには環境を変えることも一つの手である

車椅子を変える

車椅子を片足駆動する為に車軸位置を前方にずらす

車椅子は後輪の車軸を前にずらすことで駆動しやすさが高まる

藤田ら(2019)の報告では後輪の車軸を前に移動することで車椅子駆動の初動である足底の第一接地時に短く最大出力が出せると報告している

引用:川崎医療福祉学会

要するに漕ぎはじめが軽い力で駆動できるそうだ

上記報告は反対に言えば臀部を車軸近くまで後方に座ることも似た条件になることが考えらえる

時折車椅子のサイズと患者のサイズが合っていないことが見受けられるが、座奥の長さが合っていなければ車椅子駆動はより困難となる可能性もあるだろう

まとめ

車椅子駆動には体幹の機能が必要そうである

恐らくは立位やリーチ動作同様に先行性姿勢制御が重要となっていると考えられる

機能改善が難しくとも、車椅子の調整で課題負荷量は軽減を図れる

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