リハビリテーション実施する際の【中止基準】とは?運動はしてもいいの?

リスク管理
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運動は健康維持にとって大切なものです

もちろんリハビリテーションも患者を社会復帰させるために必要な資源です

そのリハビリ・運動で患者を危険な目に合わせてはなりません

どのような時が危ないかがわかっていないと結果、危険な目に合わせてしまいます

リハビリを始めたら危険、続けたら危険な状況について有名な2つの基準があります

今回はその2つである

  • アンダーソン土肥の基準
  • リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン

を説明していきます

アンダーソン土肥の基準(土肥1976)

 運動療法の中止基準として古くから有名な基準の一つです

一つ目はアンダーソン土肥の基準です

元々運動療法におけるリスク管理の基本で「アンダーソンの基準」というものがありました

それを日本でも使いやすいように土肥豊医師が修正したものです

土肥 豊: 脳卒中リハビリテーションリスクとその対策.Medicina 13:1068-1069, 1976.

内容

アンダーソン・土肥の基準

<運動療法におけるリスク管理基準>

Ⅰ.運動を行わないほうがよい場合
1)安静時脈拍数120/分以上
2)拡張期血圧120以上
3)収縮期血圧200以上
4)労作性狭心症を現在有するもの
5)新鮮心筋梗塞1ヶ月以内のもの
6)うっ血性心不全の所見の明らかなもの
7)心房細動以外の著しい不整脈
8)運動前すでに動悸、息切れのあるもの

Ⅱ.途中で運動を中止する場合
1)運動中、中等度の呼吸困難、めまい、嘔気、狭心痛などが出現した場合
2)運動中、脈拍が140/分を越えた場合
3)運動中、1分間10個以上の期外収縮が出現するか、または頻脈性不整脈(心房細動、上室性または心室性頻脈など)あるいは徐脈が出現した場合
4)運動中、収縮期血圧40mmHg以上または拡張期血圧20mmHg以上上昇した場合

Ⅲ.次の場合は運動を一時中止し、回復を待って再開する
1)脈拍数が運動時の30%を超えた場合、ただし、2分間の安静で10%以下にもどらぬ場合は、以後の運動は中止するかまたは極めて軽労作のものにきりかえる
2)脈拍数が120/分を越えた場合
3)1分間に10回以下の期外収縮が出現した場合
4)軽い動悸、息切れを訴えた場合

土肥 豊: 脳卒中リハビリテーションリスクとその対策.Medicina 13:1068-1069, 1976.

アンダーソンの基準(Anderson 1964)

また土肥先生に修正される前のアンダーソンの基準は以下のような内容でした

1.リハ禁止基準

安静度脈拍数100/分以上

2.リハ中止基準

息切れ

めまい

胸痛

チアノーゼ

脈拍135~140/分以上

不整脈の出現

リハ中止後2分以内で安静度の脈拍数+10まで下がらない場合

引用:Anderson AD: The use of the heart rate as a monitoring device in an ambulatory program. A progress report. Arch Phys Med Rehabil 45: 140 -146, 1964.

リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン

 日本リハビリテーション医学会の安全管理・推進のためのガイドライン策定委員会が策定したマニュアルです

2006年に発行されています

内容

リハ中止基準
1.積極的なリハを実施しない場合
①安静時脈拍 40/分以下または 120/分以上
②安静時収縮期血圧 70mmHg以下または200mmHg以上
③安静時拡張期血圧 120mmHg以上
④労作性狭心症の方
⑤心房細動のある方で著しい徐脈または頻脈がある場合
⑥心筋梗塞発症直後で循環動態が不良な場合
⑦著しい不整脈がある場合
⑧安静時胸痛がある場合
⑨リハ実施前にすでに動悸・息切れ・胸痛のある場合
⑩座位でめまい,冷や汗,嘔気などがある場合
⑪安静時体温が 38℃ 以上
⑫安静時酸素飽和度(SpO₂)90%以下
2.途中でリハを中止する場合
①中等度以上の呼吸困難,めまい,嘔気,狭心痛,頭痛,強い疲労感などが出現した場合
②脈拍が 140/分を超えた場合
③運動時収縮期血圧が 40mmHg以上,または拡張期血圧が 20mmHg以上上昇した場合
④頻呼吸(30回/分以上),息切れが出現した場合
⑤運動により不整脈が増加した場合
⑥徐脈が出現した場合
⑦意識状態の悪化
3.いったんリハを中止し,回復を待って再開する場合
①脈拍数が運動前の 30%を超えた場合.ただし,分間の安静で 10%以下に戻らない時は以後のリハを中止するか,または極めて軽労作のものに切り替える
②脈拍が 120/分を越えた場合
③ 1分間 10回以上の期外収縮が出現した場合
④軽い動悸,息切れが出現した場合
4.その他の注意が必要な場合
①血尿の出現
②喀痰量が増加している場合
③体重増加している場合
④倦怠感がある場合
⑤食欲不振時・空腹時
⑥下肢の浮腫が増加している場合

リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン(日本リハビリテーション医学会安全管理のためのガイドライン策定委員会 編). 医歯薬出版, 東京, 2006

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