ベッド上でリハビリをする時に仰向けにして介入することが多いのではないでしょうか
仰向けという姿勢は最も力が抜けて姿勢と思われています
しかし仰向けは完全に力が抜けるわけではなく
仰向けは仰向けで常に頑張ってしまう部分もあります
そんな時に治療としてうつ伏せを選択すると良い効果が得られる事も多々あります
今回はうつ伏せ(腹臥位)での介入する利点について整理していきます
仰向け(背臥位)で治療するときにも仰向けを選んだ理由を考える必要がある
仰向けという姿勢はベッドに接している背中側の筋群たちは重力に押しつぶされまいと常に力が入っている状態です
背中側が常に頑張ることで反対に腹部の筋緊張がゆるくなることもあります
反対に腹部の緊張が緩いこと自体が背中側を緊張させている相互的な作用も見られるかと思われます
そのためリハビリ介入を行う際には介入時の姿勢を選択する時の理由の考えなくてはなりません
そこで1つの選択肢としてうつ伏せでのリハビリ介入があります
うつ伏せ(腹臥位)のメリット
腹式呼吸を促しやすい
うつぶせのリハビリでのメリットの1つ目は
背中側が過緊張とならずまた腹式呼吸を促進させやすい観点です
うつ伏せは実際呼吸機能の改善にも有効と言われています
屈曲固定からの逸脱
メリットの2つ目は仰向けによる屈曲固定から逸脱できることが挙げられます
臥床期間が長い方などでは
なかなか立位などの抗重力肢位を取る機会も減っているので
体の使いかたとして屈曲傾向で使うことが多いです
屈曲傾向というのは本来ならばいわゆる抗重力筋たちが適切に働いて姿勢を保ちますが
それらの筋群がうまく機能しない中、動揺が少なくなるようにします
肩甲帯で言うならば大胸筋等の前面筋を短縮させ過緊張させて固定的に使うことです
股関節部で言うと股関節屈筋の腸腰筋や大腿直筋近位部などがそれらに挙げられます
実際廃用症候群などで寝たきりになった患者さんたちは上記のような股関節の肘も膝も強く曲げた姿勢になって行きます
目立ちませんが高齢者の方々や患者さんたちもその姿勢にじわじわ近づいていくような傾向が体の細かいとこで見られているかと思います
これらの姿勢では特に仰向けの姿勢の時間が長いとみられてくる傾向となります
先程の書いた通り高齢者や患者さんはそのような姿勢なって行きますので仰向けじゃない姿勢を保つということだけでも練習となります
どんな時にうつ伏せ(腹臥位)をとるのか
特にうつ伏せでの治療が効果的な例としてあげられるのが腰痛を持っている方や股関節が伸びきらず伸展0°まで持っていけないような方には有効です
股関節伸展0°以下だとそもそもうつぶせになることは難しいですが
骨盤の下にクッションを入れる等の環境を取るだけでも効果的です
また呼吸の面でもうつ伏せは腹腔と言うお腹の中を圧迫しますのでいわゆる体幹のコアユニットが活動しやすくなります
普段コアユニットを働かせずに背中で頑張っていると腰痛がりやすくなります
そのため腰痛の方にもうつ伏せをとることがお勧めとされます
また呼吸の様式が少し変わるので全身的なリラックス効果も同時に得られるかと思われます
うつ伏せを(腹臥位)とってからすること
うつ伏せを取ってから大切なのはその姿勢に慣れることなので
うつ伏せの姿勢を取って小刻みに緩やかに楽に揺れられる範囲で左右に揺れてペット面とお腹の全面を慣れさせる感覚を入れることでよりうつ伏せとしての良い介入となります
話は戻りますが股関節伸展0°がもし確保できていたとしても立位や歩行の場面で股関節の伸展の0°がでないとほとんど意味がありません
立位で股関節0°にするためには骨盤が中間位で保持できる必要もあります
そのためには体幹のコアユニットもしくはインナーマッスルが股関節の伸展と同時に働く必要があります
この観点からもうつ伏せで股関節の伸展可動域を上げるために有効なのではないかと考えられます
まとめ
少し上記の文も荒れていますが、まとめると
- うつ伏せは胸郭(呼吸)や腹部(コアユニット)を働かせやすい
- 働きやすい状況下で下肢を伸展できるため、立位・歩行に繋げやすい
- 結果、腰痛や可動域制限に有効となるケースが多くみられる
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