歩行時の体幹の筋活動 ①脊柱起立筋

歩行
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歩行のこと調べるといつも下肢ばっかりだけど体幹ってどうなっているの?

最近では体幹の機能も歩行に大切と言われていますよね

その割には体幹に関する情報が少ないように感じるのよね

体幹の筋は大まかに腹筋群とまとめて考えてしまいがちですが、一つずつ違う働きをします

今回は脊柱起立筋に注目して整理して行きましょう

脊柱起立筋は荷重応答期(ローディングレスポンス:LR)に活動

脊柱起立筋は荷重応答期に矢状面と前額面で役割があります

矢状面

矢状面での脊柱起立筋を考える際には大臀筋と同様と考えるとイメージしやすいかもしれません

観察による歩行分析より引用

上記図のように大臀筋は荷重応答期で股関節の前面に走行する床反力ベクトルに対して活動します

床反力ベクトルが関節の前を通るということは股関節を屈曲させようとする内部モーメントが発生しています

これを大臀筋による股関節伸展の関節モーメント(外部モーメント)で拮抗します

この結果大臀筋は荷重応答期で活動します

脊柱起立筋も同様に荷重応答期の床反力ベクトルを見ると腰椎の前を通ります

腰椎の前を通るということは腰椎(体幹)を屈曲させようと内部モーメントが発生します

これに拮抗するため、腰椎伸展の関節モーメント(外部モーメント)で拮抗します

腰椎伸展モーメントを発生させる為、脊柱起立筋が荷重応答期で活動します

上記図では荷重応答期の胸椎には伸展関節モーメントが発生しづらいようなベクトルとなっています

しかし初期接地(イニシャルコンタクト:IC)から荷重応答期にかけて頸部~胸椎の前に床反力ベクトルが通ります

観察による歩行分析より引用

これは頚椎・胸椎レベルの脊柱起立筋も脊椎の伸展関節モーメントを発生させる必要があるということです

そしてタイミングとしては腰椎レベルより先に頚椎・胸椎の脊柱起立筋の収縮が求められることが言えます

矢状面とまとめると

  • IC~LRで脊柱起立筋は働く
  • 頸部から先に働き、胸椎・腰椎レベルへと下降するような順番で活動する

となりますね

前額面

次に前額面で考えます

脊柱起立筋は脊椎を真ん中に両サイドに付着している筋群です

App ヒューマン・アナトミー・アトラス2023 より引用

両側で活動することで名の通り体幹伸展の活動をします

一側の活動では脊椎を側屈する作用を持ちます

LRでは立脚側に体幹が側屈するように脊椎に内部モーメントが発生します

これに対して体幹は筋肉による外部モーメントを発生させます

立脚側と反対の脊柱起立筋が活動して外部モーメントを発生させる必要があるのです

要するにLRには反対側の脊柱起立筋が同側の脊柱起立筋より強く働きます

まとめ

歩行時の脊柱起立筋の活動を整理すると

  • IC~LRで脊柱起立筋は働く
  • 頸部から先に働き、胸椎・腰椎レベルへと下降するような順番で活動する
  • LR側と対側の脊柱起立筋が強く働く
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