以前下記のような距骨下関節に関する記事を書きました
距骨下関節から膝などの頭側に影響を及ぼす上行性運動連鎖について記載された文献があったので紹介します
文献
タイトル
「健常女性における片脚スクワット動作時の膝関節外反と姿勢の関係」
方法
対象:健常若年女性
片脚スクワット動作時の膝の外反角度と影響が強い項目を分析した
結果
立位での足部(特に後足部)内がえし角度が大きい被験者ほど、膝関節外反角度が大きい傾向がみられた
という内容でした
距骨下関節の回外位は一般的に下肢の外旋への連鎖となる(どのように活用するのか)
文献上では「足部内がえし」と記載されていますが、事実上「距骨下関節の回外(ST関節回外)」と捉えても大きな間違えではないと考えられます
一般的にST関節の回外は下腿骨の外旋へと誘導し、その結果膝関節を伸展位、大腿骨を外旋位(膝関節から相対的に考えると内旋位)へと連鎖します
ここで一般的な立位や歩行での運動連鎖と今回の文献では相違が生まれます
それはなぜでしょうか
今回の文献での主な相違点としては片脚立位スクワットという課題であったことが大きな要因です立位や歩行ではST関節の高度な制御を必要とせず、極端に言えば常時回外位でも姿勢を保っていられます
しかし片脚スクワットとなると話は別です
重心を片足の狭い支持基底面内に残しつつ重心を上昇下降させなければなりません
距骨下関節での制御も必須となります
もしST関節でのコントロールが不良であったり、可動域制限があったりすると近位関節で代償する必要性があります
近位関節といえば今回で言えば膝関節が大きく影響を受けます
結果膝関節の外反が強まってしまうようです
この文献をどのように臨床で生かすのか
スポーツ等の場面ではいわゆるKnee-inと呼ばれる動きになり、靭帯等への負担が高まってしまいますので注意が必要です
病院等の高齢者を対象とした場合ではどのように考えるのか
それは階段です
階段では片脚支持期間が長くなります
普段の歩行では膝関節の屈曲時の外反は気にならないが階段においてはやたら膝が内側に入るケースもよくよく見るといるかと思います
そのようなケースでは膝周囲の機能が気になると思いますが、足部からの影響も大きいことが考えられます
特にST関節の回内制限がある可能性もあり、評価したいところです
まとめ
距骨下関節の回内制限は膝関節外反に繋がる
歩行や立位では隠されてしまうので片脚立位や階段動作で評価を