リハビリをすると血圧が上がったり下がったりと変動することが多いけど、どのくらい変化したら危険なの?
リハビリは運動を伴ったり、急に立ち上がったりして血圧の変動が伴いやすいですね
リハビリは安全管理のもと、行われるものですし、どのくらい変動したら危険が生じるかを理解することは大変大切ですね
今回はリハビリでどのくらいの血圧変動があると危険なのかを確認していきたいと思います
血圧上昇時の中止基準
血圧上昇時の中止基準は以下の2つの基準がよく使われます
- アンダーソン・土居の基準
- リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン
それぞれどのように明記されているか確認していきましょう
アンダーソン・土肥の基準
運動を行わない方が良い場合
拡張期血圧120mmHg以上
収縮期血圧200mmHg以上
途中で運動を中止する場合
運動中、収縮期血圧40mmHg以上または拡張期血圧20mmHg以上上昇した場合
リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン
積極的なリハを実施しない場合
安静時収縮期血圧 200mmHg以上
安静時拡張期血圧 120mmHg以上
途中でリハを中止する場合
運動時収縮期血圧が 40mmHg以上,または拡張期血圧が 20mmHg以上上昇した場合
血圧上昇に関しては2つとも同様の基準を示していますね
安静時から収縮期血圧が200mmHg以上と高値であれば積極的には行わず、急激に収縮期血圧が40mmHg以上上昇する場合には中止することを基準としています
血圧低下時の中止基準
血圧低下時の中止基準は以下の2つで基準を示しております
- リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン
- 座位耐久性訓練
それぞれを確認してみましょう
リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン
積極的なリハを実施しない場合
安静時収縮期血圧 70mmHg以下
座位耐久性訓練
血圧の低下が10mmHg以上の時は5分後の回復や自覚症状で判断, 30mmHg以上なら中止
安静時の収縮期血圧が70mmHg以下の低値の場合には積極的に行わない方が良いことを基準としております
また急激な血圧低下に関しては座位耐久訓練の中で30mmHg以上低下するなら中止と基準が示されており、一つの目安になるかと思われます
注意点
今回お伝えした数値はあくまで基準となります
要するに目安です
リハビリに参加する患者さんの病態は多種多様です
基準が絶対ではありませんので、主治医など医師や看護師と相談の上判断することが大切です
まとめ
収縮期血圧が200mmHg以上ないし40mmHgの上昇は要注意
拡張期血圧が120mmHg以上ないし20mmHgの上昇は要注意
血圧が70mmHg以下ないし10mmHg以上の低下は要注意
あくまで基準であり、対象者に応じて医師や看護師と相談を
引用文献
土肥 豊:脳卒中のリハビリテーションリスクとその対策.medicina 13:1068-1069, 1976
リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン(日本リハビリテーション医学会安全管理のためのガイドライン策定委員会 編). 医歯薬出版, 東京, 2006
林田 来介:急性期脳卒中患者に対する座位耐性訓練の開始時期.総合リハビリテーション 17巻2号:127-129,1989