理学療法士として成長したいと思っても、なかなか成長の実感が湧かないという人は多いのではないでしょうか。
私もそうでした。全国最下位に近い専門学校を卒業し、他の学校を出た同僚達はすぐに出世していくのに、私はずっと平凡な理学療法士でした。自分の能力に自信が持てませんでした。
しかし、今では30代前半で部下40名をまとめる病棟長として活躍しており、所属先の給与だけで年収600万円を得ています。まだ成長途中ではありますが、人並みには成長できるようになりました。
でも成長のために色々な時間や犠牲を払ったんでしょう?と思われるかもしれませんが、私自身努力をしたという感じではありません。運よく「やり方」を知ることができたという感じです。
私が10年かけて学んだ成長の秘訣をお伝えしますので、一緒に理学療法士の達人になりましょう。
成長するために必要な3つのこと
成長しようと勉強をしている人は、他者に認められる前に挫折します。なぜなら、
- 最初は全然成長できない
- 成長するまでに時間がかかる
- 日々の繰り返しの作業が必要
短期間で勉強を実践しても、ある程度の努力と時間を費やさないと他者から認められるほどの成長はできません。そうしてくると、「何のために勉強しているんだ?」と成長を疑いキツくなります。
成長するためには、治療の知識、評価の知識、技術の勉強が必要ですし、仕事後の疲れた身体で多大な時間を費やす必要があります。ただし、せっかく勉強するなら効率的に行って成長したいものです。
どうしても勉強に不慣れだと無駄な勉強が増えてしまいがちです。
もし、「成長したいのにできていない人」は以下の3つに思い当たることはないでしょうか?
– 昔覚えたはずなのに、必要な時には忘れてしまう。
– 一度勉強会で教わったのに、1週間後には使わなくなっている。
– なんとなく勉強している。
私も最初はなんとなく勉強していて、案の定成長できていませんでした。むしろ、あまり勉強していない同期の方が知識も技術も高いくらいでした。
ただ、習慣やツールの活用を始めてから成長できる実感が湧いてきました。ここでは「成長するために必要な3つのこと」を詰め込んでいますので、ぜひもう一度チャレンジしていただけると嬉しいです。
成長するために必要な3つのことは、以下の通りです。
– 勉強するジャンルの選び方
– 勉強方法の選び方
– 習慣術の活用
これらのことを実践することで、あなたも理学療法士として成長できるようになります。それでは、それぞれのことについて詳しく見ていきましょう。
おすすめの勉強ジャンル9選
「何から勉強したら良いですか?」
と聞かれることが多いので、ここでは「あなたに合った成長しやすいジャンルの選び方」について書いておきます
ジャンル選びを間違えると
– 後輩や患者に還元できない
– 異動や転職する時に価値を見出せない
– 興味のないジャンルを選んで、勉強をやめてしまう
などたくさんの失敗をしてしまいます
こうならないためにも、以下のステップで「あなたに合ったジャンル」を決めましょう。
– 自身が「多く関わる疾患や治療法」を確認する
– その中から「自身が興味を持てるジャンル」を選ぶ
– さらに職場や周囲の人が手を出していないジャンルを選ぶ
勤めにもよりますが具体的には以下のジャンルであれば、割とおすすめ度が高めです。
– 腰痛
– 肩こり
– 体幹・骨盤への介入
– バイオメカニクス
– 脳画像
– 血液・生化学データ
– 変形性膝関節症
– 歩行・インソール
– 徒手療法
まずは浅く幅広く立ち読みレベルで学んでみましょう
「このジャンルは興味あるから勉強できるかも」
など、見えてくることがたくさんあるかと思います。
また食わず嫌いのように先入観で手を出さないジャンルがあると勿体無いです
苦手なものほど理解した時の幸福も大きいので、手を出してみましょう
勉強方法の選び方
結論から言うと、若手は動画学習から行うことをおすすめします。
さらに言うなら有料の動画学習を使った方がさらにいいです。
ちなみに私はリハノメとセラピスト対象のオンラインサロンを利用しています
臨床のトッププレイヤー達は若かりし時代、特に20代の時には自己研鑽に時間とお金を注ぎ込んでいます
現在のトッププレイヤー達が若手の頃はオンライン講義はほとんどなく、現地で講習会を受けていました
そのような環境下でも研修会に多く参加しています
月に1度は当たり前で、毎週講習会を受けに行っていたという話もよく聞くほどです
「無料の動画学習じゃ成長できないの?」と気になる人も多いと思います
無料で受けられるオンライン講座などもあり、成長できないことはありません
しかし、無料の動画学習だと以下のようなデメリットも多いです
- 系統的に知識が学べない
- 無料動画サイト経由で広告が表示される
- 講師の信憑性、もしくは引用された文献の信憑性を確認する手間がかかる
- 検索に時間がかかる
無料なだけあってデメリットは多く、有料の動画学習がいいです
しかし有料だからと言う理由で成長の機会を止めてしまうのであれば導入として無料の動画などで学習し始めてみるのも良いかも知れません。
「文字学習(文献)での学習はお勧めできないの?」と思う方も多いと思います
勿論学問を学ぶ上で本や文献の情報は大切です
しかし若手が学習する観点で話すとお勧めしません
- 統計処理を理解することが大変
- 筆者が伝えたい考察をそのまま素直に受けてしまう
- 自身に都合の良い文献ばかり探してしまう
など、文献を吟味するために更に一段成長する必要があります
ゆくゆくは文献を読めることは必須の能力となりますが、若手においては即効性のある知識・成長が必要です
既に患者治療に困っておらず、批判的に文献が読めるのであれば動画学習より文字での学習をお勧めします
最強の習慣術
成長するためには習慣術が大切になります
私は幸い就職して1年目に「行動変容」の講習会にたまたま誘われ参加してから考え方が変わりました
どのトッププレイヤー達も「「毎日」なにかしらの研鑽をしています
これは強い意志を持っているからできることではありません
習慣となっているからです
大切なことなのでもう一度言うと習慣は強い意志によってできることではありません
習慣は知識とテクニックです
習慣を身につけるためには以下のことに注意してください
- 95%の確率で毎日行える課題を選ぶこと
- できれば毎日行っている習慣と結びつけること
- できれば午前中に行うこと
- もし習慣とならず、毎日継続が行えなかった場合に自分のせいにしないこと
人間すごくやる気がみなぎることがあります
その反面やる気が落ちることがあることも当たり前であることを理解しましょう
やる気がある時に「私は毎日猛勉強してすごいセラピストになるぞ!!!」と意気込んでも長くは続きません
やる気が落ちてもやれる目標を設定することが大切です
ところで「95%の確率で行える課題って何を設定したらよいの?」と思いますよね
勿論勉強に繋がる課題でなくてはなりません
ここで以下の方法をお勧めしたいことがあります
- 1日1回本を開くだけ(読まなくていい)
- 1日1回動画の再生ボタンを押す(1秒だけ見ればいい)
このくらい課題のレベルが低くないと95%の確率で毎日は行えません
5秒で終わるくらいの課題で良いのです
「こんな短時間の学習で意味あるの?」と疑問が浮かぶと思います
意味はすごくあります
課題を毎日行うという目標を達成できると自己効力感(セルフエフィカシー)が高まります
自己効力感っていうのは大胆に説明すると「行動をする『自信』」のことです
自信が高まっていけば自ら勝手に課題量を増やしていきます
筋トレ好きの人なんかが良い例かも知れません
筋トレ好きの人は「理想となる体とという目標に近づくために努力している」というよりは「前はこのくらいの重たさを挙げられたから次は更に重い重量を挙げられるのではないか」という自信が裏にある行動を繰り返していることが多いようです
なのでまずは95%達成できる課題を選び、毎日行なってください
そして習慣を獲得する自信をつけてください
毎日続けるコツとして既に習慣となっている動きと結びつけることをお勧めします
私は「電車内で必ず本を開くor 講義動画を再生する」をルールとしていました
また休みの日は寝具の近くに本を置き、本を開いていました
そして更に習慣を作るコツとして午前中に行うことをお勧めします
どれだけ継続しやすい課題を設定したとは言え、多少なりとも意志の力が必要となります
意志は疲労と共に弱くなります
なるべく意志決定が強く出せる午前中に行うようにしてください
午前に本を開くだけという課題を既に達成してしまえば余裕が生まれます
人間「〇〇をやらなきゃ」と焦りがあると中々踏み出せなくなります
しかし「もう〇〇は午前中にやったし」と余裕があれば「おまけで午後も少し本を読んでみるか」と変わります
このようにして、習慣を作り、成長を加速させましょう。
ままとめ:理学療法士が年収600万円になるためにやったこと
この記事では、私が理学療法士として成長するためにやったことをお伝えしました。
成長するために必要な3つのことは、
– 勉強するジャンルの選び方
– 勉強方法の選び方
– 習慣術の活用
でした。
これらのことを実践することで、あなたも理学療法士としてスキルアップできると思います。
もちろん、これらのことだけではなく、他にも成長に役立つことはたくさんあります。
例えば、先輩や同僚、他職種とのコミュニケーションやフィードバック、自己評価や目標設定などです。
私はこれらのことも意識して、日々の臨床に取り組んでいます。
あなたも自分に合った成長方法を見つけて、理学療法士としてのキャリアを充実させてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです。
もし、この記事に関するご質問やご感想がありましたら、コメント欄やお問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。