初対面の患者さんとの会話、なぜ難しく感じるのか
理学療法士として働いていると、
「初対面の患者さんとの会話が一番緊張する」
という声をよく聞きます。
評価をしなければ、リスク管理もしなければ、
でもいきなり無言で身体に触れるわけにもいかない。
若手ほど
- 何か話さなければ
- でも変なことは言えないと考えすぎて、かえって固くなりがちです。
ただ、経験を重ねて感じるのは、
最初の会話は“うまく話す”必要はないということです。
私が初対面でよく使う話題
私が初対面の患者さんと接するとき、
ほぼ必ず通る話題があります。
天気の話が意外と侮れない理由
「今日は寒いですね」「最近暑いですよね」
一見すると意味のない会話に思えるかもしれませんが、
天気の話には大きな利点があります。
- 誰もが体験している
- 正解・不正解がない
- 意見が対立しない
患者さんにとっても、
考えなくていい会話は安心材料になります。
出身地の話は「敵と味方」が生まれにくい
出身地の話も、よく使います。
「どちらのご出身ですか?」
「この辺は長いんですか?」
この話題の良いところは、
相手の背景に興味を向けつつも、
評価や価値判断が入りにくい点です。
政治や思想と違い、
「正しい・間違っている」が存在しません。
大谷翔平の話が会話を助ける理由
最近では、大谷翔平の話題も非常に使いやすいと感じています。
「最近すごいですよね」
「ニュース見ました?」
必ずしも野球の話を深める必要はありません。
**“知っている話題を共有する”**こと自体が目的です。
初対面では避けている話題
一方で、意識的に避けている話題もあります。
政治・思想の話がこじれやすい理由
政治や社会問題は、
その人の価値観が色濃く反映されます。
初対面では
- 味方か敵か
- 同意か反論かという構図が生まれやすく、信頼関係づくりには不向きです。
健康や生活への踏み込みすぎに注意
「どうしてこんな生活をしてきたんですか?」
「運動してなかったんですか?」
評価として必要な情報でも、
タイミングを間違えると責められている印象になります。
初回はあくまで情報収集と関係づくりに徹します。
「安全な話題」を選ぶという考え方
私が初対面で一番意識しているのは、
対立構造が生まれないことです。
信頼関係は、
「一気に深めるもの」ではありません。
むしろ、
崩さないように丁寧に積み上げるもの
だと感じています。
少し対応が難しいと感じる患者さんについて
これは偏見を含む表現になるかもしれませんが、
いわゆる「80-50問題」の家庭背景を持つ方に
対応の難しさを感じることがあります。
80-50問題という社会背景
80代の親と50代の子が同居し、
長期間、社会との接点が少ないケース。
価値観やコミュニケーションスタイルが
独特になることもあります。
「個性的」と感じたときの自分の立ち位置
こうしたとき、
相手を変えようとしないことが大切だと感じています。
こちらは
- 評価をする人
- 教える人ではなく、伴走する立場です。
マネジメント・教育の視点から
新人指導の場面では、
「何を話せばいいか」を細かく教えすぎないようにしています。
ただし、
- 天気
- 出身地
- 共通のニュース
といった
**“安全な話題の考え方”**は共有します。
まとめ|初対面の会話はリハビリの一部
初対面の会話は、
評価や治療の前段階ではありません。
それ自体が、
リハビリの一部だと私は考えています。
うまく話そうとしなくていい。
外さないことを大切にする。
それだけで、
患者さんとの関係はずっと楽になります。
