こんにちは、へたくそPTです。今回は、予測的姿勢制御という概念についてお話ししたいと思います。
予測的姿勢制御とは
予測的姿勢制御とは、身体の動きや外的刺激に先んじて、姿勢を安定させるための制御のことです
例えば、歩行中に階段を上るときや、椅子から立ち上がるときなど、身体の重心が移動するときには、予測的に筋力や関節の角度を調整して、バランスを保ちます
予測的姿勢制御は、運動計画や運動記憶、感覚情報などを統合して行われます
予測的姿勢制御が障害されると、姿勢の不安定性や転倒のリスクが高まります
予測的姿勢制御の重要性
予測的姿勢制御は、日常生活の多くの動作に関係しています
予測的姿勢制御ができると、身体の動きがスムーズになり、エネルギー消費が少なくなります
また、予測的姿勢制御ができると、予期せぬ状況にも対応できる柔軟性が高まります
予測的姿勢制御は、高齢者や脳卒中患者など、バランス障害のある人にとって特に重要です
予測的姿勢制御が低下すると、動作の質が悪くなり、転倒の危険性が増します
予測的姿勢制御を改善することで、動作の安全性や効率性を高めることができます
予測的姿勢制御の評価方法
予測的姿勢制御の評価方法には、様々なものがありますが、ここでは代表的なものを紹介します。
Timed Up and Go Test(TUG)
TUGは、椅子に座っている状態から立ち上がり、3メートル先の目印を回って戻って座るまでの時間を測定するテストです
TUGは、予測的姿勢制御に関係する動作の一連の流れを評価できます
TUGの所要時間が長いほど、予測的姿勢制御の低下や転倒のリスクが高いと考えられます
Functional Reach Test(FRT)
FRTは、立位で両手を前に伸ばし、できるだけ前方に体幹を傾けるときの、指先の到達距離を測定するテストです
FRTは、予測的姿勢制御に関係する前方への重心移動を評価できます
FRTの到達距離が短いほど、予測的姿勢制御の低下や転倒のリスクが高いと考えられます
Step Test(ST)
STは、立位で片足を台の上に乗せ、できるだけ速く交互に足を入れ替える回数を15秒間で測定するテストです
STは、予測的姿勢制御に関係する上下方向への重心移動を評価できます
STの回数が少ないほど、予測的姿勢制御の低下や転倒のリスクが高いと考えられます
まとめ
予測的姿勢制御とは、身体の動きや外的刺激に先んじて、姿勢を安定させるための制御のことです
予測的姿勢制御は、日常生活の多くの動作に関係しており、予測的姿勢制御は、高齢者や脳卒中患者のリハビリにおいて重要な評価・介入の対象です
予測的姿勢制御の評価方法として、TUG、FRT、STなどがありますが、これらはあくまでスクリーニングツールであり、個々の患者の特性やニーズに応じた個別化された評価が必要です
予測的姿勢制御の改善には、感覚情報や運動計画の統合を促すようなトレーニングが有効であると考えられます
例えば、目標物の位置や大きさを変えたり、動作の速度や方向を変えたり、不安定な台の上で動作を行ったりするなど、様々な刺激や課題を提供することで、予測的姿勢制御の能力を向上させることができます
また、予測的姿勢制御に関わる筋肉の活動を触診したり、バイオフィードバックを用いたりすることで、患者の自覚や内省を促すことも重要です
予測的姿勢制御に関する質問やコメントがありましたら、お気軽にお聞かせください